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【医薬品第一部会】国内初のGLP-1製剤受容体作動薬が承認‐2番目となるDPP-4阻害薬も

2009年12月01日 (火)

 薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は、ノボノルディスクファーマが開発した新規2型糖尿病治療薬「ビクトーザ」の承認を了承した。同剤は、膵β細胞上のGLP―1受容体に作用してインスリン分泌を促進するGLP―1アナログ製剤としては国内初となる。また、ノバルティスファーマの2型糖尿病治療薬「エクア」の承認も了承。このほか、7品目も審議・了承したが、新規作用機序の「ビクトーザ」のみ、12月の薬事分科会でも審議される。その他の品目は分科会に報告される。

 「ビクトーザ皮下注18mg」(ノボノルディスクファーマが製造販売)の有効成分はリラグルチド(遺伝子組み換え)。2型糖尿病を効能・効果とする新有効成分医薬品。再審査期間は8年。原体・製剤とも劇薬に指定される予定。既に欧州では6月に承認されている。

 インスリン分泌を促進させるGLP―1は、細胞表面や血中に存在する酵素(DPP―4)により短時間で分解されてしまうが、GLP―1の構造を一部変更することで、血糖コントロールを保てるようにした。既存の薬剤に比べ低血糖を起こしにくい上、体重減少効果がある。

 服用の対象は、▽食事療法・運動療法のみ▽食事療法・運動療法に加えてスルホニルウレア剤を使用――の、いずれかの治療で十分な効果が得られない場合に限定される。

 海外の使用実績から甲状腺に対する影響が懸念されており、部会でも委員から副作用についての質問が出たため、企業側が市販後3年間で約3000例を目標に調査し、フォローアップすることになった。

 「エクア錠50mg」(ノバルティスファーマが製造販売)の有効成分はビルダグリプチン。2型糖尿病を効能・効果とする。原体・製剤とも劇薬・毒薬には該当しない。再審査期間は8年。海外では63カ国で承認されている。

 同剤は、GLP‐1を分解する酵素DPP―4の作用を阻害して体内のGLP―1血中濃度を維持し、インスリン分泌を促進する作用を持つ。万有製薬と小野薬品の「ジャヌビア」に次いで、2番目のDPP―4阻害薬となる。

 ビクトーザと同じく、服用の対象は、▽食事療法・運動療法のみ▽食事療法・運動療法に加えてスルホニルウレア剤を使用――の、いずれかの治療で十分な効果が得られない場合に限定される。

 副作用として、下痢や便秘などの消化器症状が報告されており、委員からは膵炎を懸念する質問があったという。そのため、企業側が市販後3年間で約3000例を目標に調査を行う。

 「サインバルタカプセル20mg、同カプセル30mg」(塩野義製薬が製造販売)の有効成分はデュロキセチン塩酸塩。うつ病・うつ症状を効能・効果とする、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)。再審査期間は8年。原体・製剤とも劇薬に指定される予定。海外では94カ国で承認されている。

 「レミケード点滴静注用100」(田辺三菱製薬が製造販売)の有効成分はインフリキシマブ(遺伝子組み換え)。既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿砲性乾癬、乾癬性紅皮症の効能・効果を追加する。再審査期間は4年。海外89カ国で承認されている。

 承認条件として、全例調査が付された。類薬として米国セントコアが開発したアダリムマブがある。

 「ザラカム配合点眼液」(ファイザーが製造販売)の有効成分は、ラタノプロスト/チモロールマレイン酸塩。緑内障、高眼圧症を効能・効果とする配合剤。再審査期間は6年。海外91カ国で承認済み。合剤にしたことで、1回の点眼で済むようになった。

 「デュロテップMTパッチ2・1mg、同4・2mg、同8・4mg、同12・6mg、同16・8mg」(ヤンセンファーマが製造販売)の有効成分はフェンタニル。非オピオイド鎮痛剤および弱オピオイド鎮痛剤で治療困難な、中等度から高度の慢性疼痛における鎮痛(ただし、他のオピオイド鎮痛剤から切り替えて使用する場合に限る)を効能・効果とする。再審査期間は4年。海外69カ国で承認されている。

 承認条件として市販後調査が付された。また、麻薬製剤であるため、研修を受けた医師に処方を限定するなど、流通管理を徹底する。

 「エックスフォージ配合錠」(ノバルティスファーマが製造販売)の有効成分はバルサルタン/アムロジピンベシル酸塩。高血圧症を効能・効果とする配合剤。再審査期間は4年。バルサルタン80mgとアムロジピン5mgの配合剤で、第一選択ではなく、単剤で使用して十分な効果が得られない場合に用いる。

 「レザルタス配合錠LD、同HD」(第一三共が製造販売)の有効成分はオルメサルタンメドキソミル/アゼルニジピン。高血圧症を効能・効果とする配合剤。再審査期間は4年。オルメサルタン10mgと20mg、アゼルニジピン8mg、16mgの2規格からなる。

 「献血ベニロン‐I静注用500mg」(化学及血清療法研究所が製造販売)の有効成分は、乾燥スルホ化人免疫グロブリン。チャーグ・ストラウス症候群またはアレルギー性肉芽種性血管炎(ただし、ステロイド剤が効果不十分な場合に限る)における神経障害の改善を効能・効果とする。同疾患の患者数は450人のためオーファン指定となり、再審査期間は10年。



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