第一三共は11月29日、最優先開発プロジェクトの一つであるAII受容体拮抗剤オルメサルタンとカルシウム(Ca)拮抗剤アムロジピンを配合した経口降圧剤「CS‐8663」を、米国で承認申請したと発表した。単剤では効果が不十分な高血圧患者の2次治療薬を目指す。承認後の発売時期は、アムロジピンの米国での特許満了の2007年9月以降となる。
同剤は欧米で開発が進められてきた。欧州では2007年中の申請を計画している。同社によると、申請した米国では6500万人以上の高血圧症患者(推定)がいるが、66%の患者は降圧目標値での管理が十分でないといわれている。第一三共では、それらの患者での応用を狙っている。
主力品で売り上げを伸ばしているオルメサルタンに加え、Ca拮抗剤でも世界的に広く処方されているアムロジピンを配合した同剤を投入することで、高血圧症治療の幅を広げると共に、業績向上につなげたい考えだ。販売は米国子会社が行うが、提携を含め検討中だとしている。
日本でのオルメサルタンとの配合剤の開発は、Ca拮抗剤アゼルニジピンを含む「CS”866AZ」(日本のみ開発)がPIII、利尿剤ヒドロクロロチアジドを含む「CS”866CMB」(欧米発売済み)がPIIにある。