国際製薬団体連合会(IFPMA)は4日(現地時間)、新会長にエーザイの内藤晴夫社長を正式決定したと発表した。前会長のフレッド・ハッサン氏(シェリング・プラウ会長)は、米メルクとの合併が成立したため、任期途中で退任した。IFPMAのトップに日本人が就任するのは初めて。これまで副会長を務めてきた内藤氏は、ハッサン氏の後任として、2010年秋に開かれる次回IFPMA総会まで会長を務める。
IFPMAは、ジュネーブに本拠地を置く非営利NGOで、世界の研究開発型製薬企業26社、44カ国の業界団体が加盟。日本からは武田薬品、アステラス製薬、第一三共、エーザイ、中外製薬、日本製薬工業協会が名を連ねている。
IFPMAの重要課題は、医薬品アクセスと知的財産権の問題解決などで、医薬品開発のイノベーションに役立つ国際的な政策を整備する一方、世界保健機関(WHO)等の国連機関やNGOと協調し、発展途上国の公衆衛生向上に積極的な活動を推進している。また最近では、新型インフルエンザA(H1N1)の脅威に対し、WHOと連携した対策に取り組んできた。
新会長に就任した内藤氏は、「発展途上国の問題は、多くが周知のものであり、その大半は多くの資源を投入し、従来の実証された手段で解決できる。こうした世界の諸問題に関する国際的議論の場において、製薬業界を代表して責任を持ち、世界全体の保健医療推進のために強い信念を持って役割を果たしていきたい」とコメントしている。
なお、内藤氏の会長就任に伴い、新副会長にブリストル・マイヤーズ・スクイブ社長のランベルト・アンドレオティ氏が選出された。また、エーザイ常務執行役ガバメント・リレーションズ担当の戸田健二氏がIFPMA副理事長として、ジュネーブに常駐している。