茨城県薬剤師会(会長根本清美氏)は、4月からの処方せん様式変更を受け、ジェネリック(GE)薬を取り扱うには薬局・薬剤師の関与が重要との立場から、薬局店頭での説明を想定した啓蒙用チラシを作成した。チラシは、10月から薬局などで配布を始めているほか、薬と健康の週間のイベントや、国保・組合健保、市町村、さらに要望のあった病院等へも配布している。住民等に対するGE薬の啓蒙を、薬剤師会が中心となって推進している数少ないケースといえよう。
茨城県薬は処方せん様式変更の影響を調査するため、会員を対象とした「後発医薬品調剤に関するアンケート」を5月に実施した。アンケート結果からは、▽処方せん様式変更に関する医療機関からの説明がない▽薬局店頭で患者に対するGE薬自体の説明がない▽先発医薬品に対応するGE薬がないのに、「変更可」処方せんが発行されている――など、対応の不備や混乱の実態が明らかになった。そのため、説明用資料の作成などを含め、県薬として薬局店頭での対策を検討してきた。また茨城県も、GE薬普及による医療費削減への期待が高いことから、何らかの普及・啓蒙活動を模索していた。
そこで県薬務課と県薬は連携し、啓蒙用のチラシを作成することにした。作成に当たっては、資金面ではGEメーカーの協賛と県薬の出資、内容的には県医師会等も参画する県医薬分業対策協議会が監修するなど、行政、県内の医療関係団体、メーカーも含めた総合的な対応が採られることとなった。
啓蒙用チラシは、両面印刷で約50万部作成された。茨城県は全体で約103万世帯であるから、ほぼ半分の世帯数に相当する数が印刷されたことになる。県薬ではこうした啓蒙活動を踏まえ、GE薬について、改めて会員にアンケート調査を実施する予定だ。
チラシは片面には「あなたに処方されている医薬品を自分で選んでみませんか?」とのタイトルが付けられ、[1]「ジェネリック医薬品」ってなあに?[2]どうして「ジェネリック医薬品」が話題なの?[3]「ジェネリック医薬品」に興味をもったら――という基本的な三つの問題について、分かりやすい表現で解説を加えている。
裏面では「ジェネリック医薬品をもっとよく知ろう」と題し、[1]一つの先発医薬品に対し、たくさんのジェネリック医薬品が販売されています[2]味やにおい、大きさなどを改善したり、保存性をよくしたり、工夫された製品もあります[3]医薬品の価格が安くなっても、患者さんの負担が変わらないことがあります――など、GE薬の現状や特性などを説明している。
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