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国民負担率は50%が限界‐川崎前厚労相が講演

2006年11月27日 (月)

講演する川崎前大臣
講演する川崎前大臣

 一般用医薬品セルフメディケーション振興財団が24日、都内で開いた初のシンポジウムで川崎二郎前厚生労働大臣が講演、「団塊の世代が75歳以上になる20年後は、国民負担率は50%程度が必要で、消費税を含めた社会保障制度の議論が不可欠」との認識を示すと共に、「70歳まで働く時代が到来する。セルフメディケーションはそれを支える大切な要素だ」とし、財団の活動に期待を寄せた。

 川崎前大臣は、日本の人口は現在1億2700万人だが、働き手が52%、被扶養者が48%であり、働き手の多さでは先進国で最も高いと前置き。しかし10年後には働き手が500万人減少、20年後に75歳以上の人口が2000万人、さらに団塊ジュニア世代が65歳以上になると、働き手と被扶養者の割合が逆転し、“欧州型”の人口構成になると指摘した。

 欧州諸国では働き手が被扶養者よりも少ないが、高率の消費税などを財源として、高齢者を含む被扶養者の生活を支えている。国民負担率はフランスが61%、スウェーデンは70%にも達している。

 川崎氏は、「フランスなどでは、60歳を超えるとほとんど働かない。フランスやスウェーデンほどの高い国民負担率は考えられず、ドイツや英国並みの50%が適切だと思う。国民負担率の上昇をこの程度にまで抑えるためには、65歳以上、70歳以上の人たちにも働いてもらう必要がある」と語った。

 また、こうした人口推移を前提に、持続可能な社会保障制度を目指すためには、今回の入院医療費抑制や、介護と医療の連携などを柱とした医療制度改革に対する理解を求めると共に、「財源確保のためには、欧州型の消費税議論は避けて通れない」と言い切った。

 さらに今後、「65070歳の人たちは、何らかの形で社会と関係していかなければならない。“自分の健康は自分で守る”というセルフメディケーションは、高齢者が健康な生活を維持する上で大切なのに加え、国家財政の面でも重要になってくる」とし、今後の50年を展望する上で、セルフメディケーションの推進がポイントになると強調した。



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