厚生労働省医薬食品局の成田昌稔審査管理課長は14日に都内で講演し、2009年度補正予算の見直しで、753億円のうち適応外使用薬の開発支援分の653億円が執行停止になった、新薬開発に係る基金事業「未承認薬等開発支援事業」について言及。「基金の状況が最終的にどうなるか分からない」としながらも、行政として希少疾病医薬品の指定や公知申請などを通じて、製薬企業が開発を迅速に進められるよう支援していく考えを示した。
未承認薬や適応外薬は、厚労省が6月から8月にかけて、学会や患者団体などから要望を募り、約370件が開発支援の候補品目として集まっている。この中の250件程度が適応外使用薬で、予算の執行停止により、適応外使用薬の開発に向けた資金的援助はなくなってしまった。
成田課長は、「今年度補正予算に関わる未承認薬関係の基金の状況が、最終的にどうなるか分からない」との心情を吐露。しかし、企業が少しでも開発を迅速に進められるよう、希少疾病の指定や申請資料の一部が免除される公知申請、開発に必要な試験の指導など、現行の枠組みの範囲内で、行政として支援していく考えを示した。