厚生労働省は12月1日付で、新医薬品12成分17品目を薬価基準に追補収載する。内訳は内用薬が4成分6品目、注射薬が8成分11品目。22日に開かれた中央社会保険医療協議会総会で、薬価算定組織の報告が了承された。収載品目は次の通り。
◇レキップ錠0.25mg、同1mg、同2mg(グラクソ・スミスクライン):パーキンソン病を効能効果とする非麦角アルカロイドのドパミンD2受容体作動薬。
企業の予測する市場規模は、初年度が患者数2000人で販売高は1.2億円、ピーク時の10年目は2.3万人で109億円。
◇プレミネント錠(万有製薬):日本初のARBと少量利尿剤の配合剤。第一選択薬としては用いず、他の治療で効果が不十分な場合に使用する。
企業が予測する市場規模は初年度が2万人で13億円、ピーク時の6年目が60万人で414億円と大型化を見込んでいる。
◇アレグラ錠30mg(サノフィ・アベンティス):小児への用法用量が追加され、それに伴って剤形が追加された抗アレルギー薬。
企業が予測する市場規模は初年度が2万人で1.6億円、ピーク時の10年目は33万人で26.9億円。
◇オキノーム散0.5%(塩野義製薬):中等度から高度の疼痛を伴う各種癌の鎮痛を効能効果とする新剤形医薬品。
企業が予測する市場規模は初年度が600人で300万円、ピーク時の10年目は13.8万人で5.6億円。
◇タケプロン静注用30mg(武田薬品):経口投与不可能な出血を伴う胃潰瘍、十二指腸潰瘍、急性ストレス潰瘍および急性胃粘膜病変を効能効果とする新投与経路医薬品。プロトンポンプ阻害剤の注射薬としては、オメプラゾールに次いで2番目。
企業が予測する市場規模は初年度が2.3万人で1.5億円、ピーク時の5年目は31.5万人で20億円。
◇リプレガル点滴静注用3.5mg(大日本住友製薬):ファブリー病治療薬で新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品に指定されていた。
企業が予測する市場規模は初年度が6人で0.5億円、ピーク時の8年目は81人で20.3億円。
◇アウドラザイム点滴静注液2.9mg(ジェンザイム・ジャパン):ムコ多糖症I型を効能効果とする新有効成分含有医薬品で、希少疾病用医薬品の指定を受けて開発された。
企業が予測する市場規模は、初年度が20人で1億円、ピーク時の6年目は65人で22億円。
◇ベルケイド注射用3mg(ヤンセンファーマ):抗癌剤では新規の作用機序となるプロテアソームの阻害剤。昨年4月の未承認薬使用問題検討会議で、企業に早急な承認申請が要請され、優先審査の対象となった。 企業が予測する市場規模は初年度が300人で7.8億円、ピーク時の4年目が1700人で56.5億円。
◇イトリゾール注1%(ヤンセンファーマ):抗真菌薬で従来の内用薬を注射薬とした新投与経路医薬品。
企業が予測する市場規模は初年度が800人で1.4億円、ピーク時の8年目は2万2100人で38.9億円。
◇アドベイト注射用250、同500、同1000(バクスター):遺伝子組み換え型の血液凝固第VIII因子製剤。培養工程でヒト・動物由来成分の使用を取り止めたため、新有効成分含有医薬品として承認された。
企業が予測する市場規模は、初年度が699人で39億円、ピーク時の10年目が1628人で107億円。
◇ソナゾイド注射用(第一製薬):超音波検査における肝腫瘤性病変の造影を効能効果とする新有効成分含有医薬品。
企業が予測する市場規模は、初年度が1000人で5000万円、ピーク時の10年目が3.5万人で26.2億円。
◇アルチバ静注用2mg、同5mg(ヤンセンファーマ):全身麻酔の導入・維持における鎮痛を効能効果とする新有効成分含有医薬品。血中半減期が短く、用量設定の容易な点が特徴。
企業が予測する市場規模は、初年度が8.8万人で4.9億円、ピーク時の7年目が110.8万人で61.8億円。