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【薬食審薬事分科会】2ワクチンを審議・了承‐新たな糖尿病治療薬も登場

2009年10月02日 (金)

 薬事・食品衛生審議会の薬事分科会は9月29日、国内初となる子宮頸癌ワクチン「サーバリックス」(グラクソ・スミスクラインが製造販売)、小児肺炎球菌ワクチン「プレベナー」(ワイスが製造販売)、国内初のDPP‐4阻害剤と呼ばれる新規作用機序の糖尿病治療薬「ジャヌビア」(万有製薬と小野薬品が製造販売)など6品目を審議し、了承した。今月中に正式承認される見通し。

 「サーバリックス」の有効成分は、HPV16型および18型ウイルス粒子(遺伝子組み換え)。HPVのうち16型と18型感染に起因する子宮頸癌およびその前駆病変の予防を効能・効果とする。10歳以上の女性に、通常、1回0・5mLを半年間に3回、上腕の三角筋部に筋肉内接種する。

 同剤は、予防効果の持続期間が確立していないことなどを,ワクチン接種希望者に事前に情報提供することになっているが、分科会委員から、添付文書の書き方が不十分との指摘があったため、文言修正を加え、委員に提示することとなった。

 「プレベナー水性懸濁皮下注」(ワイスが製造販売):有効成分は、肺炎球菌莢膜ポリサッカライド(血清型4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23F)‐CRM197結合体。効能・効果は、肺炎球菌(血清型4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23F)による侵襲性感染症の予防。接種は生後2カ月から6カ月までに,初回免疫として3回、追加接種1回の計4回行う。

 「ジャヌビア錠25mg、同錠50mg、同錠100mg」(万有製薬が製造販売)と「グラクティブ錠25mg、同錠50mg、同錠100mg」(小野薬品が製造販売)の有効成分はシタグリプチンリン酸塩水和物。2型糖尿病を効能・効果とする新有効成分医薬品。同剤は、インスリンの分泌を促進するグルカゴン様ペプチド‐1(GLP‐1)を分解する酵素「DPP‐4」を阻害することで、GLP‐1の効果を持続させ、血糖コントロールを保てるようにするというもの。

 服用の対象は、▽食事療法・運動療法のみ▽食事療法・運動療法に加えてスルホニルウレア剤を使用▽食事療法・運動療法に加えてチアゾリジン系薬剤を使用▽食事療法・運動療法に加えてビグアナイド系薬剤を使用――で十分な効果が得られない場合に限定される。

 承認後は、長期使用に関する特定使用成績調査(観察期間3年、3000例)、腎機能障害者を対象にした特定使用成績調査(1年間、100例)を行う。

 「イメンドカプセル80mg、同カプセル125mg、同カプセルセット」(小野薬品が製造販売)の有効成分はアプレピタント。抗悪性腫瘍剤(シスプラチンなど)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。

 同剤は、新規の選択的ニューロキニン1拮抗作用を有する。既存のセロトニン受容体拮抗薬などと作用機序が異なるため、既存薬との併用が可能となる。

 「ラスリテック点滴静注用1・5mg、同7・5mg」(サノフィ・アベンティスが製造販売)の有効成分はラスブリカーゼ(遺伝子組み換え)。効能・効果は、癌化学療法に伴う高尿酸血症。抗癌剤の投与によって腫瘍細胞が破壊される際、血中に大量に放出される尿酸を分解し、排出しやすくする。

 「ベネフィクス静注用250、同500、同1000、同2000」(ワイスが製造販売)の有効成分はノナコグアルファ(遺伝子組み換え)。効能・効果は、血友病B(先天性血液凝固第IX因子欠乏)患者の出血傾向の抑制。

 患者数は1万人の血友病患者の2割程度とされるため、オーファンに指定された。承認条件として、全例調査が付された。



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