大正製薬は16日、米国のブリストルマイヤーズスクイブ(BMS社)との間で、アジア地域においてBMSが保有するOTC医薬品の商標権などのブランド資産取得、並びにジャカルタに本社を置くPTブリストルマイヤーズスクイブ・インドネシア(BMSI)の株式97・97%を取得することで合意したと発表した。取得価格は、BMSのブランド資産が約145・6億円、BMSIの株式が136・5億円。
大正の海外進出は、「リポビタンD」を発売した翌年の1963年から始まった。香港、台湾、マレーシア、フィリピン、インドネシア、タイ、ベトナム、中国などに現地法人を設立して、「エナジードリンク」という新市場を形成、ドリンク剤市場において国際的リーダーとしての地位を確立している。
今回、取得するブランドのうち「Tempra」は、インドネシア、フィリピンの解熱鎮痛薬市場で、「Counterpain」は、インドネシア、タイの外用消炎鎮痛薬市場で、それぞれトップクラスのシェアを有する。BMSIは、インドネシアを拠点としたOTC医薬品を主体としたメーカーで、ジャカルタ郊外に2万5440m2の敷地を持つ工場を持っていることからも、今後のアジア事業拡大戦略で、生産拠点としての期待が高い。
大正では「今回の買収を契機に、アジア事業全体を統括する会社をシンガポール、クアラルンプールなどを候補として新設し、成長市場であるアジア地域におけるOTC医薬品事業の一層の拡大を目指す」としている。
なお、BMSIの役職員は、今後の事業展開の重要な戦力と位置づけ、現行の雇用及び処遇は維持していくという。