複数ブースの研修が人気‐強みは講師全てが薬剤師
イーピーメディカル(榎戸誠社長)は、医薬情報担当者(MR)研修の質の高さで知られているCSOだ。同社のMR研修は導入、継続、試験対策の三つがメインとなっており、常勤講師4人、非常勤講師2人は全て薬剤師であることも強みだ。研修センター長の鈴木康弘氏は、「講師と営業が兼務となっており、提案と受託内容が一致している。充実した講師陣を抱えているため、他社による代用の必要がなく、教育研修を全うできる。そして、受託した企業からは、一度も他の教育研修認定施設に切り替えられたことがない」と強調する。この「ブレず」「代わらず」「替えられず」が同社のMR教育研修事業の特徴を的確に示しているといえる。
イーピーメディカルは、10月1日にファーマネットワークと合併し、イーピーメディカルを存続会社とする新生「ファーマネットワーク」(社長・榎戸氏)をスタートさせる。その一事業となる教育研修事業については、ファーマネットワークと力を合わせ、引き続き他社との差異化を図りつつ、事業拡大に注力していく方針だ。
テーマは講師の実地体験から
継続教育では、研修の翌日からすぐに医師とのやりとりに活用できるよう、講師の実地体験をベースとした、実戦的なMR業務に役立つテーマを取り上げている点が特徴だ。
テーマとしては、MRに必要とされる領域のほか、医師は医療の専門家であるので、その分野で的確な話し合いができるように、また医療経営などの相談にも乗れることを目的として、選定している。
2009年度は、継続研修で内外資メーカー数社から受託実績があり、MRを対象とした研修のほか、MR認定資格を継続するための本社勤務者や開発業務担当者を対象にした研修も実施している。
研修は、同一会場に対象者を集めて行う授業形式と、クライアントの全国の支店に出向いて研修する出張形式の二つがある。社内研修も同様に行われているが、特にテーマを定めた複数のブースを準備して、参加者が関心を持つブースを自由に選んで研修を受けられる学会方式は特に好評のようだ。
プレゼン能力の向上で即戦力に
社内用のMR導入教育は、薬剤師国家試験対策指導の豊富な経験を持つ強みを発揮して、薬剤師に匹敵する水準の薬剤知識を習得できることが特徴だ。また、医療現場で信頼されるMRを育成できるのも、医療現場にいた薬剤師が講師を務めていることから可能になっている。
研修では、毎回必ず人前で話をすることを実践し、プレゼン能力の向上を図っている。イーピーメディカルが目指しているのは、単なる認定試験対策としての導入教育研修ではなく、現場に出てからMRに求められる能力をスムーズに発揮できるMRを育成することであり、この差別化を進めることでCSOの役割を果たしていく方針である。
09年度の実績は、導入研修、フォロー・直前研修が20社に及んでいる。モデルスケジュールとしては、12月の試験に向けて4~6月の間に所定の時間数を受講し、試験直前の10月と11月には模擬試験も行われる。研修修了から試験までに時間が空くことから、e―ラーニングや穴埋め問題等による通信添削を実施しているが、蓄積している問題数は約1万問に達するという豊富さだ。
08年度は、受託時間200時間以上の研修で、合格率100%という実績を誇っている。
同社の特徴は、営業と講師を兼務していることにあり、これによって営業した際に研修を受託するかどうかタイムラグなく即決できることは、大きな差異化につながっており、委託側からも好評を得ているようだ。
イーピーメディカル株式会社
http://www.epmedical.co.jp