MRの個人力を企業力に‐協働型のクローズドループで
アプライドナレッジ(横浜市/小島政行社長)は、既存のMR支援システムとは異なる視点から開発された情報共有ソリューションSQC(ソリューション・フォー・クオリティ・コラボレーション)を提案しており、その中核を構成するのがコラボレーションツール「TeamPage」。小島氏は、これまでの管理型営業支援システムSFA(セールス・フォース・オートメーション)とは発想を変えて、クローズドループで情報の収集、分類、フィードバックを実現するもので、MRの持つ情報の活性化、企業内でのMRの発言力を強化できるツールだと説明し、「MRの個人力をいかに企業力へもっていくかが大きなポイントだ」と強調した。
競合製品情報も提供・収集可能
小島氏ははじめに、「Web2.0が提案されている今、従来の個人ノルマ達成を目的として、業務報告を主体とするSFAが、果たして本当にMRを支援しているのか疑問を感じた。情報を提供・収集するスペシャリストとしてのMR活動を支援するためには、処方の現状から他社の競合製品情報などを提供・収集できる協働型のクローズドループが必要と考えた」と、新しいソリューションを提案することになった発端を語った。
MR自身が成長するためにも、学術情報などから不確実な情報をカットして安全で的確な情報の提供が必要となるが、「この分野はITの腕の見せどころである」とした上で、「MRの情報を企業内で最大限活用できるクローズドマーケティングを実現するものであり、MRの個人力をどのようにして企業力へもっていくのかが大きなポイントになる」と述べ、コラボレーション型ナレッジマネジメントの重要性を説いた。
同社は1988年に設立し、93年に株式会社に移行した。出版、e―ラーニング、ナレッジマネジメントなどを手掛けていたが、最近ではSQCを中心に事業展開している。特に米国で開発された「TeamPage」は、米国KM World誌の『真のKM(Knowledge Management)のアイデアを実践する100の企業』の1社に6年連続で選ばれており、既にグローバルメガファーマ5社に採用されている実績がある。「Web2.0の新しい波に対応するシステムを提供できることが、大きな強みだ」とアピールした。
MRの発言力強化に期待
同社では、企業における三大病として、「情報が見えない」「プロセスがつかめない」「知識が残らない」を挙げ、その解決策として「リアルタイムの情報共有」「プロセスの可視化」「プラクティスの記録」を実現することを提案している。そのために、情報を共有する協働作業のワークスペースとして、同ツールを展開している。プロジェクトベースのエンタープライズブログであり、不適切な発言を戦略的情報管理室で抑えつつ、Web上で自由に意見を示すことができることから、企業内でMRの発言力が強化されることが期待されている。
小島氏は、「多くの企業では、MR同士の2チャンネル的なつながりによるプロモーションコードの逸脱を懸念しているようだ」との感触を述べると共に、「不穏当な発言はもちろん、MRからの情報もきちんと精査してネット上にアップしている」と説明した。
また、「今やほぼ全ての情報はネットで入手できるし、医師同士のネットワークも構築されているので、今後は医薬情報を提供するMRの役割も変化してくるだろう」と読み、「メーカーが直接医師へ情報を提供するようになるかもしれない。重要なのは医師のプロファイルを把握して、それを企業にフィードバックすることであり、この業務を実現するには広いクローズドループが必要になる。プロファイルをつかむためには、当然、勉強をしていかなければならない」と訴える。
現在、2社(MR100~200人規模)が導入済みで、アジアにおけるネットで自社製品と他社製品の情報、学会の動き・話題、医師の異動までの幅広い情報を提供している。「このような、広域ネットワークをすぐに構築できることが大きな強みである」と、同ツールの特徴を強調した。
株式会社アプライドナレッジ
http://www.akj.co.jp