厚生労働省は10日、「新型インフルエンザに関するQ&A」を一部改訂し、成人・小児に死亡例が報告されているインフルエンザ治療薬タミフルの安全性について、「重大な懸念があるとは考えていない」とする見解を示した。なお、副作用との関係が否定できない成人の死亡5例については、既に添付文書等で注意喚起を図っていることを報告している。
今までタミフルを服用した小児で、異常行動を含む16例の死亡が報告されているが、Q&Aでは昨年11月の米国FDAや日本小児科学会、今年1月の薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会の評価などを踏まえ、「現段階では安全性に重大な懸念があるとは考えていない」とした。また、2005年度厚生労働科学研究の小児を対象にした行動異常発現に関する報告書でも、タミフルの使用・未使用で有意差がなかったことも紹介した。
一方、成人で死亡した5例については、同部会や専門家の検討から、中毒性表皮壊死症、腎障害、肝障害、アナフィラキシーショック等の副作用との因果関係は否定できないとしたが、それ以外の33例に関しては、因果関係を否定する見方を示した。
また、これらの副作用は2002年10月と03年7月の2回にわたり、添付文書に記載して注意喚起を図っているとし、タミフルは医師の指示に従って服用し、副作用症状が現れたら、医師や薬剤師に相談するよう求めている。
- 【06/07インフルエンザシーズン】タミフル、1200万人分の供給を準備‐中外製薬
2006年07月20日