薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は8月31日、国内初となるグラクソ・スミスクラインの子宮頸癌ワクチン「サーバリックス」のほか、ワイスの小児肺炎球菌ワクチン「プレベナー」など5品目を審議、了承した。9月下旬に開催予定の薬事分科会では「オゼックス」は報告されるが、それ以外の4品目については、新規作用機序のため、再び審議される。
▽プレベナー水性懸濁皮下注(ワイスが製造販売):有効成分は、肺炎球菌莢膜ポリサッカライド(血清型4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23F)‐CRM197結合体。効能・効果は、肺炎球菌(血清型4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23F)による侵襲性感染症の予防。接種は生後6カ月からで、初回3回、追加接種1回の計4回行う。海外では90カ国で承認されており、このうち16カ国で定期接種されている。
再審査期間は8年。原体・製剤とも劇薬に指定される予定。
▽ラスリテック点滴静注用1・5mg、同7・5mg(サノフィ・アベンティスが製造販売):有効成分はラスブリカーゼ(遺伝子組み換え)。効能・効果は、癌化学療法に伴う高尿酸血症。抗癌剤の投与によって腫瘍細胞が破壊される際、血中に大量に放出される尿酸を分解し、排出しやすくする。化学療法による高尿酸血症は、腫瘍の大きい悪性リンパ腫などでみられるという。
同剤は真菌由来で、長期にわたる複数回の使用によって、抗体出現のリスクが高まるため、初回の1クールのみの使用とする。
55カ国で承認されており、再審査期間は8年。原体・製剤とも劇薬に指定される予定。
▽ベネフィクス静注用250、同500、同1000、同2000(ワイスが製造販売):有効成分はノナコグアルファ(遺伝子組み換え)。効能・効果は、血友病B(先天性血液凝固第IX因子欠乏)患者の出血傾向の抑制。
患者数は1万人の血友病患者の2割程度とされるため、オーファンに指定された。承認条件として、全例調査が付された。48カ国で承認済み。
2000年に欧州医薬品審査庁(EMEA)のGCP査察で、海外治験の問題点を指摘され、追加試験を求められたため、国内での申請が取り下げられていた。しかし、海外の試験データが提出されたことから、国内でも再度、申請を行った。
再審査期間は10年。原体・製剤とも毒薬・劇薬に指定されない予定。
▽オゼックス細粒小児用15%(富山化学が製造販売):有効成分は、トスフロキサシントシル酸塩水和物。
トスフロキサシンに感性の肺炎球菌(ペニシリン耐性肺炎球菌を含む)、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、炭疽菌、コレラ菌、インフルエンザ菌を適応菌種とし、肺炎、コレラ、中耳炎、炭疽を適応症とする小児に係る効能・効果を追加した。
再審査期間は4年。原体・製剤とも毒薬・劇薬に指定されない予定。
3品目を報告
またこの日の部会では、「治癒切除不可能な進行・再発の結腸・直腸癌に対する他の抗癌剤との併用療法(XELOX+BV療法)の効能・効果および用法・用量を追加」のため、次の3品目の一変申請が報告され、了承された。
▽ゼローダ錠300(中外製薬が製造販売):有効成分はカペシタビン。
▽アバスチン点滴静注用100mg/4mL、同400mg/16mL(中外製薬が製造販売):有効成分はベバシズマブ(遺伝子組み換え)
▽エルプラット注射用50mg、同100mg、同点滴静注液50mg、同100mg(ヤクルト本社が製造販売):有効成分はオキサリプラチン。