日本医師会は8日の定例会見で、会員を対象に実施し、9月に発表した「ジェネリック(GE)医薬品に関わる緊急調査報告」の続報を公表した。今回は品質・効果・副作用について「問題あり」と指摘されたものを、GEメーカー別・主要銘柄別等に再集計したもの。その結果、特定の1社に「問題あり」とした指摘が21件に上り、品目でも18銘柄に及んでいた。今回の結果について飯沼雅朗常任理事は、厚生労働省にも報告したいなどと語った。
前回の調査は、GE薬の効果や安全性が不十分と懸念する声が、会員から数多く寄せられていたことを踏まえ、GE薬の実態を把握する目的で、5月27日から7月末までホームページを通じて実施し、577人から回答を得た。この調査では、▽品質に問題あり54%▽効果に問題あり69%▽副作用に問題あり45%――などの回答が寄せられていた。
それに対し今回の調査では、具体的な会社名や商品名の記載も求めており、その集計が終わったことから結果を報告したもの。
具体的な会社名や銘柄名は公表しなかったが、GEメーカー33社、73銘柄に対して、会員から品質・効果・副作用に「問題あり」との指摘がなされた。その数は全部で89件に上るという。
企業別にみると、ある特定メーカーの18銘柄に「問題あり」との回答が集中し、このメーカーには21件の苦情も寄せられていた。薬効分類別の集計では、不整脈用剤・血圧降下剤・血管拡張剤が15件、高脂血症用剤13件、解熱鎮痛剤が2剤・10件などであり、「効果が悪い」「強度不足で錠剤が粉砕する」などの指摘が多数を占めていた。
飯沼常任理事は、この内容を厚労省へ報告する一方で、「しっかりデータをとるよう要望したい」と述べ、厚労省に申し入れを行う考えも明らかにした。また、「先発品の価格が半分になれば、こうした事態にはならない」などの見解も示した。