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アステラス製薬の野木森雅郁社長は8日、都内で開いた中間決算説明会で、最重要開発テーマの一つで血栓症を防ぐ経口第X因子(ファクターXa)阻害剤「YM150」が日本でPIIにステージアップしたことを報告、今後、日本、香港、韓国、台湾でのアジア共同試験を実施する方針を明らかにした。より低いコストと、開発のスピードアップを狙う。アジア共同試験を同社が行うのは初めて。
同剤は、活性化血液凝固ファクターXa阻害の抗血栓薬。先行する経口トロンビン阻害剤、他のファクターXa阻害剤と比較して安全性の改善が優れているとしている。心房細動(AF)における血栓症予防と整形外科手術後の静脈血栓症(VTE)の予防の適応を狙っており、日本でPIIになったのはVTEの予防。欧州ではPIIbにある。
同社によると、アジア治験を実施することによって、コストの低減と共に、1年以上の開発期間の短縮を期待している。試験のスケジュールや被験者数など詳細は開示していない。野木森社長は「最重要テーマとして引き続きリソースを投入していく」と述べた。
AFにおける血栓症予防については、2006年土中に欧米でPII着手する予定。