ココカラファインホールディングスは、子会社のセガミメディクスが、臨床検査機器・検査用試薬大手のシスメックス(本社神戸市)とのコラボレーションにより、新たな健康支援サービスを展開していくことを発表した。セガミの専門性の高いカウンセリング能力や広域の店舗網、シスメックスの検査技術や運用ノウハウを活用し、ドラッグストア店舗を利用した新たな健康ビジネスの創造を目指す。今後、両社でサービス内容の具体的な検討を進め、9月頃にセガミでの実験店舗を選定する予定。
セガミメディクスは「ドラッグセガミ」「パワードラッグワンズ」「セガミ薬局」の店舗名で、関東・甲信越、東海・北陸、関西、中国・四国、九州・沖縄に370店舗を展開する(6月末現在)。07年10月からは、自店の一般顧客に対して、PET/CT検査の紹介業務を開始している。このPET(陽電子放射断層撮影)とCT(コンピューター断層撮影)の機能を合わせ持つ検査方法は、1回の検査で癌の精密検査ができるなどメリットが多く、来店客への認知度も高まってきた。現在、この検査紹介業務はココカラファイングループ(セガミ、セイジョー)のほか、提携先のドラッグチェーンも含め、約800拠点に拡大している。
シスメックスは、世界150カ国以上の病院や検査センターに、健康診断や病院で行われる血液や尿などの検査に必要な機器・試薬・検査情報システムやサービスを提供している。主力の検体検査分野で培った技術を応用し、疾病予防や癌の早期発見など、ライフサイエンス分野やヘルスケア分野にも注力している。07年にはイオンのH&BC売り場に、同社開発の健康管理支援サービス「タッチで続ける健康日誌」を本格導入するなど、国内での健康支援サービス推進を図ってきた。
具体的施策の合意はこれからだが、シスメックスは生活習慣や栄養バランスなどの設問への回答と、血圧・脈波・体脂肪やヘモグロビン推定値などの測定結果に基づいて、個々の健康状態を分析し、健康情報を提供するサービスを構築していることから、セガミ向けに改良した新たな健康支援システムを、ドラッグストア店舗に導入していく意向。
セガミ、シスメックスの両社では、将来的にはココカラファイングループ店舗への拡大も視野に入れ、「店舗でのカウンセリングを生かした新たな健康支援サービスを通じ、より広い地域の人々の健康促進につなげていきたい」としている。