第一三共は、インフルエンザ治療薬「CS‐8958」の第III相試験結果で、既存薬のリン酸オセルタミビル投与群に対する非劣性が証明されたと発表した。この結果を受け、予定通り2009年度中の国内承認申請を目指す。
「CS‐8958」の第III相試験は、A型・B型インフルエンザに感染した成人患者を対象に、「CS‐8958」20mg、40mgの1回吸入投与群の有効性・安全性を、リン酸オセルタミビル75mgの1日2回5日連続投与群と比較した二重盲検試験。日本、台湾、香港、韓国を含めた国際共同治験として実施された。
その結果、有効性の主要評価項目に設定したインフルエンザ関連症状の改善、解熱時間を見たところ、「CS‐8958」20mg、40mgの投与群で、いずれもリン酸オセルタミビル投与群に対する非劣性が示された。特に高用量の40mg投与群で高い効果が認められたことが明らかになった。安全性については、重篤な有害事象は見られていないという。
また、9歳以下の小児を対象とした「CS‐8958」の第II/III相試験結果も発表され、成人と同様に「CS‐8958」20mg、40mg投与群は、リン酸オセルタミビル投与群に比べて優れた効果が認められている。
「CS‐8958」は、第一三共が創製した長時間作用型ノイラミニダーゼ阻害剤。1日2回5日間投与が必要な既存のインフルエンザ治療薬に対し、吸入薬の「CS‐8958」は1回投与での有効性が期待されている。非臨床試験では、新型インフルエンザ(A/H1N1)や、強毒性のH5N1型鳥インフルエンザウイルスに対する効果も確認されている。