人事院は11日、国家公務員の2009年度月給を平均0・22%、年間ボーナス(期末・勤勉手当)を0・35カ月分それぞれ引き下げるよう、政府と国会に勧告した。ボーナスと月給が同時に引き下げられるのは、6年ぶりのこと。中でも、ボーナスの引き下げ幅は過去最大となる。ただ、国の医療施設に勤務する医師や歯科医師については、処遇を改善する観点から、月給を据え置いた。
国家公務員の給与は、民間企業の給与実態に合わせる「民間準拠」で決められる。人事院では、勧告の参考にするため、全国1万1100の事業所(約46万人)を対象に、定期昇給やベースアップ、ボーナスや各種手当の支給状況などを調査した。
それによると、09年4月時点で、民間給与は平均39万0907円、公務員給与は平均39万1770円と、863円(0・22%)の開きがあった。この較差を解消するため、給与引き下げが必要と判断した。
また、年齢が高いほど民間との差が大きかったことから、20歳代の職員(1~3級)の月給は引き下げないが、7級以上の管理職層(部長・課長以上)には0・1%を上回る減額率を適用する。また、新築購入後5年に限り支給していた月額2500円の住宅手当を廃止する。
09年度のボーナスは4・50カ月から4・15カ月に引き下がる。5月の臨時勧告で、今夏のボーナスが既に0・20カ月分引き下げられているため、残る0・15カ月分を冬に引き下げる。
国立高度専門医療センター(ナショナルセンター)等に勤務する薬剤師は、臨床検査技師や栄養士などと共に医療職俸給表(二)が適用される。今年の国家公務員給与等実態調査では、適用職員数は薬剤師を含め1024人で、前年より28人増加した。平均年齢は41・5歳、平均経験年数は18・1年で、男女比は男性が64・6%だった。
薬剤師の初任給は医療職俸給表(二)の2級1号俸で17万8200円で据え置かれた。これに対し今年の民間給与実態調査では、薬剤師の初任給は企業規模100人以上500人未満で21万9961円、500人以上で20万7223円で、依然として大きな開きがある。