厚生科学審議会に「健康危機管理部会」が新設され、10月30日に初会合が開かれた。会合では、部会長に倉田毅氏(富山衛生研究所長)を選出すると共に、運営細則や今後の運営方針を決めた。
冒頭あいさつした厚生労働省の西山正徳技術総括審議官は、「SARSや新型インフルエンザなどの世界的流行や、バイオテロなどの発生が予測され、国民の生命・健康に対する危機管理の必要性が高まっている。こうした危機に迅速に対応するため、各分野の専門家を集め、発生時の対策を協議していただく」と部会設置の趣旨を述べた。
部会は年に102回、定例部会を開催して、健康危機管理に関わる事項を議論する予定にしている。危機管理体制における部会の位置付けは、厚労省の厚生科学課・危機管理対策室が関係機関の協力を得て、国内外の健康危険情報を収集・評価し、緊急性が高いと判断された場合に、対策の検討について諮問を受けるもの。部会の審議結果を踏まえ、官邸危機管理センター等を通じて対策を迅速に実行する流れとなる。