メディセオ・パルタックホールディングスは31日、動物用医薬品等卸売業の丸善薬品(北海道北広島市)を来年1月1日に完全子会社化することを決め、株式交換契約を締結した。全国シェア(2005年3月)4位の丸善がグループに入ることで、6位のエバルスアグロテック、7位のアトルを合わせたシェアは20%以上に達し、全国トップに躍り出る。今後、プロジェクトを立ち上げて将来について検討を開始する予定だ。株式交換比率は、メディ・パルHD1:丸善薬品9.7となっている。
メディ・パルHDの副社長兼医薬営業本部長の渡辺自修氏は、動物薬事業を「医食同源」の考え方に基づき、食の安全に貢献することを目的に行っていると説明すると共に、丸善薬品との提携で、高度な食品衛生管理方法であるHACCPを一緒に進めていく方針を示した。
動物薬市場は、畜産市場と同軸にあることから北海道、東北、中国、四国、九州が大きいが、メディ・パルグループでは、エバルス、アトルのエリアである中国、四国、九州のみで事業展開してきた。今回の統合は、動物薬の得意先が全国展開していることに対応して、ある程度の全国供給体制網が必要になったために行われたものである。
渡辺氏は、「動物薬開発メーカーは、グローバル・メガ・メーカーが多く、メディセオ事業での取引先と合致している。今回の提携によって、営業でのシナジーや仕入などでのメリットが考えられる。今後、効率化を目指したシステムなどの統一はあるかもしれないが、企業自体を統一することは効率的だとは言えない」と述べたほか、「将来的には人でも動物でもワクチンが大切になる。共にきちんと対応していきたい」との意向を語った。
丸善薬品(高島英寿社長)は、従業員数243名、06年6月期売上高142億2200万円。