2006年度に新たな薬学教育制度がスタートし、6年制と4年制が併存する形となった。今年度は、新4年制入学者が最終学年にあり、来年度から従来の大学院は廃止され、新4年制を対象にした新たな大学院教育が必要になる。そのため、既に4月に、北里大学など3校が新4年制対応の大学院として、薬学研究科薬科学専攻の設置届出を行い、6月末に受理された。また、5月届出分の7大学も7月末に受理された。それに合わせて、学部定員再編や4年制学科の統合、名称変更などを行う大学もあり、新たな薬学教育制度定着に向けた模索が続いている。
4年制・6年制を併設する大学(併設校)は、国公立では17大学全て。私立は、東北薬科大学、城西大学、東京理科大学、千葉科学大学、明治薬科大学、星薬科大学、慶應義塾大学、北里大学、大阪薬科大学、近畿大学、武庫川女子大学、徳島文理大学香川薬学部、九州保健福祉大学の13校。
4年制対応の大学院設置を届け出て、受理されているのは、国公立では、静岡県立大学(薬科学科専攻30人)、岐阜薬科大学(薬科学専攻35人)、名古屋市立大学(創薬生命科学専攻36人)の3校。
私立は、北里大学(薬科学専攻15人)、慶應義塾大学(薬科学専攻20人)、東北薬科大学(薬科学専攻20人)、城西大学(薬科学専攻20人)、明治薬科大学(生命創薬科学専攻20人)、近畿大学(薬科学専攻15人)、東邦大学(薬科学専攻10人)の7校。
現時点で、10校中9校が併設校で、4年制定員の多い国公立が、私立に比べ大学院定員枠が多くなっているのが特徴。
今後、ほとんどの併設校で、4年制対応の大学院設置届出が行われると見られている。実際、今月、来月も各大学からの届け出が続く予定で、来年度に設置される4年制大学院は、ここ数カ月で概ね出揃う模様。今回、届け出られた大学院は、全てマスターコースで、次のドクターコース3年課程については現在、その準備が進めれる状況だ。
併設校ばかりでなく、6年制に特化した大学からの4年制対応大学院設置届出も行われる模様だ。現時点で、併設校でなく届け出られたのは東邦大学だけだが、関係筋によれば、旧来の4年制教育で多くの卒業生を輩出している大学では、6年制に特化しても、東邦大学と同様に、設置届出を行う意向だという。新4年制の卒業生はいないが、他大学等を含めた卒業生や、社会人を対象に募集をかけることになる。
さらに、新4年制への対応としては、北里大学が来年度、6年制定員を260人から250人とし、4年制定員を15人増やし35人とする。千葉科学大学では、4年制の薬科学科と動物創薬科学科(各40人)を「創薬科学科」に改変し50人に絞り込む。星薬科大学では4年制の学科名を、薬科学科から「生命創薬科学科」へと変更するなど、新たな動きも出始めている。