武田薬品は、大阪市および茨城県つくば市に保有する研究機能を統合し、神奈川県藤沢市に「新研究所」を開設することになった。新研究所の開設は、新薬の研究開発加速を目的としたもので、2010年度の稼動を目標にしている。新研究所の開設場所については、同社湘南工場跡地の藤沢市か大阪府茨木市の「彩都」が候補に挙げられていたが、藤沢市に決着した。
今春、武田薬品は5カ年経営計画である「06‐10中期計画」を策定し、「日本発の世界的製薬企業」の創生に向け、「常に誠実に企業活動に取り組む」という“タケダイズム”を事業の根幹に据え、重要な経営課題に取り組んできた。その基本方針の中でも、「自社研究開発における新薬創出力の回復」は、グローバルな事業展開によって着実に成長していく上で最も重要な経営課題となっている。そのため、研究開発マネジメントを見直すと共に、グローバルな研究基盤整備などに経営資源を投下し、11年度以降、自社研究開発からの新製品を継続的に発売できる体制の確立が急務となっていた。
同社では、これを促進するため、現在、大阪市十三地区とつくば市に分散している創薬研究機能を藤沢市に統合・再編成することで、国内研究拠点の一元化を図ることにした。今後は、社内外・国内外の研究機関や研究者にとって魅力ある、活力に溢れた、ダイナミックな研究体制を構築し、世界トップレベルの創薬研究を目指す。