ワイス研究開発本部クリニカルオペレーション部の関根恵理氏は24日、都内でEDCの利用状況に関する調査結果を報告した。それによると、既にEDCを利用しているか、システム選定を終えている製薬企業は88%に上ることが明らかになった。実際に運用する医療機関側も98.3%が「EDCを受け入れる」と回答しており、今後EDCを導入していく流れは一層加速していくものと見られる。
調査は、製薬18社を対象に実施されたもので、2002006年までのEDC利用状況が調べられた。フェーズII、IIIに関しては、日本でも少しずつEDC利用は広がっているが、06年の状況をみると、海外では80%の企業がフェーズII、IIIの治験にEDCを利用しているのに対し、日本ではまだ半数がEDCを使っておらず、現状では海外における02003年の導入水準にあると考えられた。
また、88%の企業が既にEDCを利用しているか、EDCシステムの選定を終えていると回答。今後5年間で、EDCの利用が戦略的に高い優先順位を占めると考えている企業も70%に上った。一方、医療機関側も98%がEDCを受け入れるとしており、その場合、既に70%の企業が準備可能な状態にあることも分かった。さらに、EDCを使う場合、英語での入力に関してもほとんどの医療機関が受け入れるとしている。課題としては、製薬企業と医療機関双方のインフラ整備、トレーニングやモチベーションの向上が挙げられた。
既に海外でEDCは急速に普及しており、特に最終症例のエントリーからCRF固定までの期間が大幅に短縮できるメリットが指摘されている。今後、国際共同治験の増加が予想される中で、EDCの利用は大きな検討課題になってきそうだ。