同仁医薬化工が製造販売し、ノバルティスファーマが10月4日に発売する予定だった鎮痛消炎剤「ボルタレンパップ」「ボルタレンパップS」(一般名:ジクロフェナクナトリウム)の発売を中止したと、両社は20日発表した。同仁医薬が委託していた製造会社で、製造工程の問題解決にメドが立たなかったため。同仁医薬によると、薬価削除する方向で厚生労働省と協議している。
発表によると、発生した問題は、最後の箱詰めの段階で、製品を積み重ねることによる重みで、パップ剤の薬剤側の膏体がはみ出し、製品同士の端が包装の袋の中でくっつくおそれがあるというもので、この製品特有の問題。問題の製造会社は明かしていない。
問題解決のメドが立たず、同仁化工は安定供給は不可能と判断。17日からノバルティスと、プロモーションを行う旭化成ファーマは医療機関に発売中止の情報提供を進めている。
両社は「発売を待たれていた患者さんや医療現場に対して、心よりお詫び申し上げます」とのコメントを発表。同剤のプロモーションにより整形外科領域の製品との相乗効果を狙っていた旭化成ファーマは、「非常に残念である」としている。
同剤については薬価削除の方向にあるが、製造承認の取り扱いについては同仁医薬は「未定」だとしている。各々に生じる損害についても、3社とも「今後の話」としている。ノバルティスによると、初年度3億円程度の売り上げを見込んでいた。