日本病院薬剤師会の矢後和夫常務理事は、6年制薬学部学生の実務実習経費について、「大学側は10万円以下、それ以上は経営を圧迫するとしているが、日病薬は授業料から算出すれば、月15万円は必要と主張している。病薬で最終決定できるものではないが、最低基準は出すべきだと認識している」と述べ、実習経費の考え方に対して、大学と病薬の間で未だに大きな隔たりがあることを明らかにした。14日に開かれた日病薬地方連絡協議会で発言したもの。ただ、日本薬剤師会は実習費用について具体的な額を明示しておらず、受け入れ側も足並みが揃っている状況ではない。
実習経費の算出について矢後氏は、「実習は大学の授業の一環。日病薬は授業料等に基づいて行ったもので、明確な算出方法である」と改めて強調した。これに対し地方県病薬の会長からは、「あえて日病薬で決める必要はないのではないか」「日病薬が外部から意見を言っているような印象を受ける。調整機構という場があるのだから、その中で主張してほしい」など、執行部に慎重な対応を求める意見が聞かれた。
一方、実習指導薬剤師の確保に関しては、養成に必要なワークショップおよび講習会等が、今年度でほぼ全国一巡することもあり、「来年度は各県で養成が可能になると思われる。グループ実習が基本なので、グループの中に実務実習指導薬剤師が1人含まれていれば良いと考えている」との考えを示した。日病薬は現在、各大学が提携している実習病院リストの提出を求めており、リストに入っている施設を除き、改めて受け入れ病院のグループ分けを行う意向だ。