北里研究所、デンカ生研、阪大微生物研究所、化学及血清療法研究所は、共同で開発を進めている新型インフルエンザワクチン(H5N1型)のPIで予防効果を確認した。9月から健康な男女1000人以上の規模でPII/IIIに着手し、2007年にも国内で承認申請する計画だ。
開発は国立感染症研究所の協力により進められている。ワクチンは、ベトナム株由来のインフルエンザウイルスの感染力をホルマリンなどの処理により不活化した不活化全粒子型抗原に、免疫を増強させるアルミニウムアジュバントを添加したもの。6月にオーファンドラッグ指定を受けた。
PIでは、健康成人男性に3週間間隔で2回接種した。ワクチンに使用する抗原量は1回あたり1.7μgHA、5μgHA、15μgHAの3用量を、皮下接種、筋肉内接種の計6群で予防効果や副反応を比較した。
その結果、「5μgHAの抗原量を2回接種することで皮下及び筋肉内接種とも、被験者の70%以上でワクチン接種前から4倍以上の中和抗体価の上昇が認められた」という。この結果は「海外で開発中の同類の新型インフルエンザワクチンと比べて投与量あたりでは世界トップクラス」という。
副反応では、局所反応が大部分で、特に問題になるものはなかったとしている。局所反応では注射部位の発赤、腫脹、疼痛、熱感、主な全身症状では頭痛、悪寒、倦怠感、発熱がみられた。因果関係が否定できない重篤な有害事象としては突発性難聴(15μgHA)があったという。