厚生労働省は8日、4月3日に発表した第94回薬剤師国家試験の合格者を1人追加したと発表した。受験者の申し出を受けて答案用紙を確認したところ、マークシートの塗りつぶしが薄いため、コンピュータが「回答なし」と認識し、不正答と判断されていた設問が複数あったという。ただ、目視では「塗ってあることが確認できた」ため、追加合格とした。合格発表後に合格者を増やすのは初めてのこと。これにより、1万1301人になった。合格率は74・40%で変わらない。
今回の異例の措置は、本人からの申し出がきっかけとなった。問題用紙の持ち帰りが可能なことに加え、第86回の国家試験から正答票が公開されるようになり、精度の高い自己採点が可能になったことが影響している。
厚労省によると、申し出た受験者のマークシートは「全体的に薄かった」という。しかし、コンピュータが未回答と認識したいくつかの設問について、数名が目視で確認したところ、「塗ってある」と判断できたため、その判断に基づいて採点し直したところ、合格点に達した。
厚労省は今後、試験会場などで、マークシートを濃く塗らないと不正答になることがあるという注意喚起を徹底する方針。今回は「血の通った対応」をしたが、来年も同様の申し出があった場合は、「対応するか分からない」としている。