調剤薬局向けコンピュータシステムの開発や販売を手掛けるEMシステムズ(本社大阪市、社長國光浩三氏)は、診療所向け電子カルテ事業に新規参入する。日立メディカルコンピュータからOEM提供を受けた電子カルテを「Medical Recepty」(メディカルレセプティ)として11月に発売する。医事会計システムと電子カルテの機能が一体化し完全に連動することが特徴。現時点では電子カルテの普及率は高くないが、同社は2008年を境に普及が進むと見ており、「今、電子カルテに参入しないと、もう出る時期はない」(國光社長)として、本格参入に踏み切った。
同システムは、採用品目や病名などのマスターを一元化。カルテデータとレセコンデータの同時更新、カルテデータからレセコンデータへの自動変換機能を備え、医事会計システムと電子カルテ機能を完全に一体化した。医事会計機能が別のシステムになっている既存の電子カルテでは、データのやりとりで不整合が起こることがあるが、その問題を解消できるという。
また、▽過去カルテや患者情報を見ながら診療を行える、▽カルテ作成中に他の患者のカルテを見たり、急患のオーダを入力できる、▽パネルによるワンタッチ入力ができる――など柔軟で簡易な操作性も実現している。
このほか、受付、診察室だけでなく、処置室、検査室などでの運用にも配慮が施されており、院内トータルシステムとして活用できることも特徴。処方したい薬剤が併用禁忌になる場合には代替薬を提示するなど、診療支援機能も充実している。