大阪商工会議所は今月末にも、医薬品の候補物質(創薬シーズ)や創薬で使用される技術(基盤技術)の売買情報を掲載する日本初の特許技術流通サイト「創薬特許マーケット」を開設する運びだ。本格的な開設に先駆け、9月末からは特許技術情報や会員登録を受け付けるプレサイトをオープンさせた。
売り案件の特許情報は、技術移転(売買、使用許諾、共同研究)などによる他者利用を前提とした情報だけを掲載し、売り手が活用しなくなった特許の有効利用を図る考えだ。売り案件は、創薬シーズ・ターゲット、試薬・診断薬で30項目、基盤技術で15項目に分類されており、ほしい情報を効率よく詳細に収集できることも特徴。
また、買い手は関心分野を匿名で登録できるため、開発意向を明らかにすることなく必要な情報を収集できる。売り案件の特許情報登録は2008年3月までは無料。年会費は大学・研究機関が31万5000円から大企業の84万円まで。
今回オープンさせるマーケットは、製薬会社からの要望を受けたもの。昨年7月から製薬6社と商社・金融・開発業務受託機関各1社が集まった研究会で検討されてきた。今年4月には、マーケットの運営に協力する大阪工業大学、シミック、双日、三菱UFJ信託銀行と大商が基本合意を結び、共同で開設準備を進めてきた。