三菱ケミカルホールディングス(MCHC)のグループ会社で臨床検査受託の三菱化学ビーシーエル(MBC)と体外診断薬の三菱化学ヤトロン(MKI)、安全性試験受託の三菱化学安全科学研究所(MSI)の3社は、2007年4月1日に統合することになった。創薬支援と診断といった既存事業を強化すると共に、テーラーメイド医療などの新規事業を展開する方針だ。MCHCは、中期経営計画「革進―フェーズ2」で、ヘルスケアを重点事業分野の一つと位置づけ、具体的な成長戦略を検討しており、今回の取り組みもその一つ。
3社はこれまでもグループ企業として連携し、事業を展開してきたが、テーラーメイド医療の実現や予防を軸とした健康増進への貢献を通して、新たな事業拡大を図るため、3社を統合するとしている。当初、今年10月1日の統合を目指していたが、会計年度と合わせ、4月1日付で統合することになった。
具体的には、統合によって[1]臨床検査と体外診断薬・機器の両事業を合わせた診断・検査に関する総合的な提案[2]MSIの非臨床の安全性試験とMBCが手がける臨床試験支援の統合による一貫した創薬支援サービスの提供””が可能になるという。
また、MBCの臨床検査、MKIの体外診断薬開発、MSIの安全性試験受託の経験や技術、ノウハウとMCHCグループのプロテオミクスやメタボロミクス、糖鎖工学といった研究開発テーマを組み合わせることで、病気の予防に役立つ診断マーカーの開発などを進めていく。研究開発を一元化することで効率化を図る。
統合方法は、事業持ち株会社形態を採用。MBCをベースに株式交換方式で、MKIとMSIの2社を新社の100%子会社化する予定。社長にはMKIの吉富敏彦社長が就任する。新社名は未定だという。本社は、東京都港区芝浦4丁目2番8号。資本金は30億円。3社の05年度売上高の合計は788億円、社員数はグループ全体で3153人になる。今後の事業目標は検討中。