国立がんセンターに「がん対策情報センター」、国立国際医療センター研究所に「国際臨床研究センター」が新設された。
がん対策情報センターは、がん医療水準均てん化対策の一環として設立されたもの。昨年8月にまとめられた「がん対策推進アクションプラン2005」に盛り込まれており、日本の癌対策を総合的・計画的に推進するために必要な情報を整備していく。
厚生労働省を中心とする関係各省や、がん診療拠点病院と協働し、がんに関する専門的、学際的、総合的な研究を推進し、医療従事者の教育研修、情報の普及を図ると共に、予防や治療、緩和医療等に関する最新情報を、患者やその家族に提供していく。この実現に向けて、[1]癌情報提供[2]癌サーべイランス[3]多施設共同研究支援[4]癌診療支援[5]研究企画支援[6]情報システム管理――などの活動を展開していく。
一方の国際臨床研究センターは、最新の研究成果をいち早く具現化するため、臨床研究推進の中心的役割を担う。他のナショナルセンターで網羅できない感染症、生活習慣病、難病などに関する臨床データの蓄積・解析する。特に諸外国の医療情報や患者情報を組織的に収集し、国際共同研究を展開すると共に、国内の大規模臨床試験・コホート研究の活性化を目指していく。
具体的な組織は、糖尿病対策を中心とする「基礎技術開発研究部」「医療情報解析研究部」、国際ゲノム疫学研究などを行う「国際保健医療研究部」の3部門で運営される。
この機構改革に伴い厚労省は、がん対策情報センター長に加藤抱一氏(がんセンター中央病院臨床検査部長)、国際臨床研究センター長に山本健二氏(国際医療センター研究所副所長)を充てたほか、次の人事異動を発令した。
▽国立がんセンターがん対策情報センター:臨床試験・診療支援部長(国立がんセンター研究所薬効試験部抗がん剤作用研究室長)福田治彦、がん情報・統計部長(国立がんセンター予防・検診研究センター情報研究部長)祖父江友孝
▽国立国際医療センター研究所国際臨床研究センター:国際保健医療研究部長(同研究所疫学統計研究部長)溝上哲也、医療情報解析研究部長(同研究所医療生態学研究部長)新保卓郎、細胞組織再生医学研究部長(同研究所細胞組織再生医学研究部長)大河内仁志
▽国立循環器病センター病院:外来部長(総合外来部長)吉政康直、周産期治療部長(専門外来部長)池田智明
▽国立成育医療センター研究所:周産期病態研究部長(情報・システム研究機構国立遺伝学研究所助手)秦健一郎