社会保険診療報酬支払基金は、5月請求分で調剤報酬をオンライン請求しなかった薬局の状況報告の結果を公表した。それによると、オンライン化の準備が遅れている理由として、費用対効果に見合わないことをあげる薬局が最も多かった。また、1731薬局が、実質的にレセプト電算処理システムや代行送信による請求ができたにもたにもかかわらず、オンライン請求を行っていなかった。
レセプトコンピューターを保有する薬局には、今年度からオンライン請求が義務づけられたが、5月請求分で5027薬局が対応できていなかった。
厚生労働省の指示で、支払基金が未対応薬局に状況報告を求めたところ、17日現在で3464薬局から届け出があった。このうち、廃局等の理由で集計から382薬局を除いた、残り3081薬局について集計した結果、既にオンライン・代行送信の開始届を1533薬局が提出しており、さらに、オンライン開始届は提出していないものの、レセ電を導入して回線敷設や代行送信の申し込みを済ませているのが198薬局あった。合計1731薬局がオンライン請求の準備をほぼ終えていたことになる。
一方、748薬局が依然としてレセ電の契約申込みを予定していなかった。オンライン化に消極的な理由としては、「費用対効果に見合わない」が538薬局で最も多く、以下、「高齢で対応困難」が188薬局、「ノウハウがない」が118薬局、「オンライン化に反対」が98薬局、「業者の対応が遅れている」が56薬局と続く。
また、105薬局がレセ電導入の契約を完了しているにもかかわらず、回線敷設や代行送信の利用を予定していないと回答。さらに、レセ電申し込みを済ませていたり、申し込み予定であるものの、回線敷設や代行送信を予定していないのが38薬局あった。理由は「費用対効果に見合わない」が98薬局で最も多く、「ノウハウがない」が24薬局、「高齢で対応困難」が20薬局となっている。
厚労省は、原則として11月請求分以降、レセコン保有薬局にはオンライン以外の請求方法は認めない方針で、今後は、状況報告がない薬局や準備が遅れている薬局に重点を置き、審査支払機関を通じて働きかけを行っていく。