高度医療評価会議は19日、東京大学病院が申請した「胃癌腹膜播種に対するパクリタキセル腹腔内投与」を、治験計画の変更などを条件に、高度医療として承認することを決めた。同技術は、点滴用抗癌剤を腹腔内に直接投与する点が特徴。医薬品の適応外使用に初めて同制度を適用することになる。
パクリタキセルは、経静脈投与でも胃癌腹膜播種に有効だが、腹腔内投与によって腹水中の濃度が高まるため、より高い治療効果が期待できる。
高度医療として正式に認めれるためには、安全性確認試験が実施されていないシスプラチンとの併用療法を治験計画から削除して、抗癌剤「S-1」との併用に限定することや、モニタリング体制の再検討などが求められる。ただし、修正が確認できれば改めて議題には上げず、厚生労働省の先進医療専門家会議に送って、保険診療との併用の可否を審議する。