厚生労働省のエイズ動向委員会は、2008年エイズ患者・HIV感染者の確定値を公表した。患者・感染者を合計した年間報告数は1557件で、6年連続で過去最高を更新した。依然として患者・感染者の増加に歯止めがかかっていないが、保健所等におけるHIV抗体検査や相談の件数が伸びて、早期の掘り起こしが進んだことも影響しており、報告数に占めるエイズ患者の割合は27・7%で低下傾向にある。
確定値は、08年1月1日から12月31日まで1年間の動向をまとめたもの。
08年の新規HIV感染者は、前年から44件増の1126件、新規エイズ患者は13件増の431件で、ともに過去最高を記録した。
感染経路は、HIV感染者、エイズ患者ともに同性間性的接触が伸び、いずれも過去最高となった。HIV感染者では、同性間性的接触が779件で全体の69%を占め、異性間性的接触が220件で20%だった。エイズ患者では、同性間性的接触が189件で44%、異性間性的接触が147件で34%だった。
年齢別にみると、HIV感染者は20、30歳代が多く、前年と比べると40歳以上で増加。エイズ患者は30歳代以上で多く、50歳代以上の増加が大きかった。
地域別では、HIV感染者、エイズ患者とも東京を含む関東・甲信越ブロック、近畿ブロックで多かった。