厚生労働省は18日、未承認薬と適応外薬の開発要望の募集を開始した。英・米・独・仏の4カ国のいずれかで承認または保険適用されている医療上の必要性の高い医薬品が対象で、集めた候補を、新たに立ち上げる有識者会議で、[1]公知申請[2]公的開発支援[3]その他(迅速審査など)――に区分して、国内への迅速導入を図る。厚労省は、抗癌剤や小児用薬の要望が多いと見ているが、募集に適応領域の制限はかけない。
今回の医薬品開発支援は、今年度補正予算を裏付けにした施策で、募集期間は8月17日まで2カ月間。
対象となる医薬品は、医療上の必要性が高いことが条件になる。判断基準は「適応疾病の重篤性」「医療上の有用性」の両要件を満たすこと。重篤性については、▽生命に重大な影響がある▽病気の進行が不可逆的で日常生活に著しい影響を及ぼす▽その他日常生活に著しい影響を及ぼす――のいずれか。有用性については、▽既存の治療が国内にない▽欧米の臨床試験で有効性・安全性等が既存療法と比べて明らかに優れている▽欧米において標準的療法に位置づけられている――のいずれかに該当しなければならない。
要望提出に際しては、追加治験の有無等の評価材料にするため、文献等の安全性や有効性の根拠も必要になる。記載項目は、[1]医薬品名[2]会社名[3]承認国・保険適用国[4]効能・効果[5]用法・用量[6]文献・学会発表・国内外学会ガイドライン[7]医療上の必要性の基準該当性――の7項目。応募様式は同省ホームページに掲載している。
開発支援の区分を担当する有識者会議は、厚労省の未承認薬使用問題検討会議を発展的に改組して、早ければ10~11月にも動き出す見通し。場合によっては同省の小児薬物療法検討会議も取り込んだ組織になる可能性もあるが、現段階では流動的だ。