キリンビールとヤクルト本社は、健康・機能性食品事業を展開する合弁会社「キリンヤクルトネクストステージ」(社長山崎昇、以下KYNS社)を設立し、1日から営業を開始した(出資比率はキリン55%、ヤクルト45%)。同時に両社の共同開発商品の第1弾となる、お腹のバランスサポート食品「BBcube」(ビービーキューブ)を通信販売ルートで新発売した。
キリングループとヤクルトグループは昨年6月に事業提携の覚書を締結し、共同事業化の準備を進めてきた。キリングループでは2015年までの長期経営ビジョンの中で、健康・機能性食品事業を酒類・飲料・医薬に次ぐ第4の柱と位置づけ、KYNS社がその中核会社として成長を担う。また創業以来、乳酸菌飲料や発酵乳などのプロバイオティクス商品を供給してきたヤクルトグループも一層の事業強化を図り、企業価値向上を目指す。
新商品「BBcube」は、ヤクルト本社が持つビフィズス菌(B・ブレーベ・ヤクルト株)が生きて腸まで届くと共に、キリンビールが持つ上質なビール酵母食物繊維(BYC)が膨潤して腸内を動き、不規則な食生活やストレス、加齢などで減少したビフィズス菌などの善玉菌をサポートすることで、腸内のバランスを保つ。1日目安の3個でビフィズス菌が1億個、食物繊維が2g摂取できる。
税込み希望小売価格は1週間サイズ(21個入り)が1260円、1か月サイズ(90個入り)が4725円。販売はキリングループで健康食品事業を展開しているキリンウェルフーズの通販専用サイトで行い、11月からはヤクルトレディによる訪問販売ルートで商品サンプリングなど市場開拓も行っていく。KYNS社では「30代後半以降の女性をメインターゲットとし、初年度で1万人以上のユーザー獲得を目指したい」(浅野高弘マーケティング部長)としている。
明年1月にはキリンウェルフーズを分割し、主な事業をKYNSが継承する。またヤクルト本社からも健康食品の一部を移管するなど、商品開発・製造・マーケティング・販売までを一貫して行う体制を整え、事業基盤の早期確立を図る。