日本の総人口に占める高齢者の割合が22%を超え、後期高齢者といわれる75歳以上人口の割合が初めて10%を超えた。内閣府の2008年度「高齢化の状況及び高齢社会対策の実施状況」(高齢社会白書)で分かった。
白書によると、2008年10月現在、日本の総人口は1億2769万人で、前年に比べ約8万人減少した。これに対し、65歳以上の高齢者人口は、過去最高の2822万人となり、総人口に占める割合(高齢化率)も22・1%(前年21・5%)となった。
前期高齢者(65~74歳)と後期高齢者(75歳以上)に分けると、前期高齢者は1500万人(男706万人、女794万人)で、総人口に占める割合は11・7%。後期高齢者は1322万人(499万人、823万人)で、総人口の10・4%となり、初めて10%を超えた。
高齢者人口と15~64歳の生産年齢人口の比率は、60年に高齢者1人に11・2人の生産年齢人口がいたのに対し、05年には高齢者1人に対して現役世代3・3人になった。今後、高齢化率は上昇を続け、55年には高齢者1人を1・7人で支える状況になると推定している。
高齢者のいる世帯は07年現在、1926万世帯で、全世帯(4802万世帯)の40・1%を占める。このうち、単独世帯が22・5%、夫婦のみが29・8%で、増加傾向にある。
経済状況については、暮らし向きが「苦しい」が26・4%に対し、「ゆとりがある」と感じている8・5%、65%が「普通」と答えている。
高齢者世帯(65歳以上の者のみ、または18歳未満の未婚の者が加わった世帯)の年間所得(08年度)は306・3万円、全世帯平均の566・8万円の半分強。ただし、世帯人員1人当たりでは、高齢者世帯195・5万円に対し、全世帯平均207・1万円と、大きな差はみられない。
健康に対する意識を米国、ドイツ、フランス、韓国と比較したところでは、「健康である」と考えている割合は、日本が64・4%と最も高い結果だった。
一方で、医療サービスの利用状況は、「ほぼ毎日」から「月に1回くらい」までの合計が56・8%で、韓国(56・7%)と共に他国に比較して高い。
介護については、介護を頼みたいのは、男性で「配偶者」(80・7%)、女性は「子ども」(63・1%)が最も高い。前回調査(02年)との比較では、男女とも「ホームヘルパー」の割合が倍増している。
高齢者の就業状況は、男性の場合55~59歳で90・5%、60~64歳で73・1%、65~69歳で50・1%と、60歳を過ぎても多くの高齢者が就業している。女性は55~59歳で61・6%、60~64歳で43・5%、65~69歳で28・2%となっている。