厚生労働省統計情報部が21日に発表した2005年「社会医療診療行為別調査」結果では、保険薬局における調剤の現状が明らかになった。保険調剤の1件当たり点数は961・8点で、前年に比べ25・0点、2・7%増加した。処方せん受け付け1回当たりも、672・2点で前年より22・7点、3・5%の増加となっている。
一般医療と老人医療の別では、1件当たり点数は一般が825・9点なのに対し老人が1315・6点。処方せん1回当たり点数は、一般が601・0点で老人が833・9点。一般よりも老人の方が件数で約6割、処方せん1回当たりで約4割高い。
処方せん1回当たり点数の内訳は、[1]薬剤料482・5点(前年比4・8%増)[2]調剤技術料151・9点(0・9%増)[3]指導管理料36・8点(1・6%減)[4]特定保険医療材料料0・9点(9・1%減)――となっている。総点数に占める割合は、薬剤料が71・8%、調剤技術料が22・6%、指導管理料が3・8%であり、薬剤料は前年に比べ約1ポイント上昇した。また、薬剤師の技術料における調剤技術料と指導管理料の比は、76:24となった。
総点数に占める各点数の割合を、一般医療と老人医療に分けて見ると、一般医療では薬剤料70・3%、調剤技術料23・3%、指導管理料6・3%。老人医療では薬剤料74・2%、調剤技術料21・5%、指導管理料4・2%となる。薬剤料は共に7割以上を占めるが、その比率は老人医療が高い。老人医療の総点数が高いことと関連するが、老人医療では薬剤師の技術料割合が、相対的に低いという結果である。
調剤の薬剤点数を階級別に分解して見ると、全体では500点未満が60・3%、50001000点が18・9%、100001500点が9・1%、150002000点が4・6%、2000点以上が7・1%となる。しかし一般医療と老人医療では大きな相違があり、500点未満は一般が66・7%なのに対し、老人は43・5%に過ぎない。逆に2000点以上は、一般は5・1%だが、老人の場合は12・2%に上った。
また、後発医薬品が出現したレセプトの割合は、一般医療が35・5%、老人医療が47・9%、全体では38・9%であり、前年とほとんど変化が見られなかった。
◇薬剤の種類数は平均で3・84に
調剤レセプト1件当たりの平均薬剤種類数は3・84種類で、内訳は一般医療が3・54種類、老人医療が4・63種類であった。この種類数をランク別に見ると、1種類19・9%、2種類20・2%、3種類16・6%、4種類12・6%、5種類9・2%、6種類6・5%、7種類4・6%、8種類3・3%、9種類2・3%、10種類以上4・9%となっている。3種類以内で6割弱、6種類以内で85%を占める。やはり一般と老人では大きな開きが見られ、薬剤7種類以上のレセプトの割合は、一般が11・5%なのに対し老人は24・2%もあった。
一方、薬効分類別の薬剤使用状況を見ると、循環器官用薬が最も多い。主な薬効別の薬剤点数割合は、次の通りである。
[1]循環器官用薬26・7%[2]中枢神経系用薬9・6%[3]消化器官用薬9・6%[4]その他の代謝性医薬品7・8%[5]アレルギー用薬6・0%[6]血液・体液用薬5・2%[7]感覚器官用薬4・7%[8]外皮用薬4・7%[9]腫瘍用薬4・5%[10]化学療法剤3・5%