日本医師会は12日の定例会見で、後発医薬品に関する緊急調査の結果を報告した。安定供給、効果、品質の面で、半数以上の医師が「問題あり」と回答したほか、後発薬企業の情報提供については、8割を超える医師が問題ありと指摘。医師が特に情報提供のあり方に不満を感じている現状が浮かび上がった。また個別の意見として、▽包装が悪い▽患者から後発品は効かないと言われ、先発品に処方を戻した――などの例もあったという。飯沼雅朗常任理事は、これらの結果を来月にも厚生労働省に報告し、改善を申し入れる考えを表明した。
日医では、後発薬の効果や安全性が不十分という懸念の声が、会員から数多く寄せられたことから、後発薬の実態を把握するため、5月27日から7月末まで、ホームページを通じて会員を対象に調査を行ってきた。調査項目は後発医薬品に関する▽品質▽効果▽副作用▽メーカーからの情報提供▽安定供給――などで、577人から回答を得た。
結果をみると、▽品質に問題あり53・8%▽効果に問題あり68・8%▽副作用に問題あり44・8%▽安定供給に問題あり68・5%▽後発薬企業の医薬品情報提供のあり方に問題あり81・9%▽問い合わせ窓口に問題あり38・5%▽後発薬の使用に慎重あるいは懐疑的な意見67・4%――だった。
特に品質、効果、安定供給、医薬品の情報提供などで、問題が多いと指摘する回答が多く、中でも後発薬企業の情報提供に対しては、かなり強い不満を持っている状況が明らかになった。
また調査では、個別意見の記載も求めたところ、まだ集計中ながら、▽包装が悪い▽溶け方が悪い▽降圧剤で患者に効かないと言われ、後発品から先発品に処方を戻した――などの意見が挙がっているという。
このほか、調査では具体的な商品名まで記載を求めており、これらについても現在集計を進めている段階。飯沼氏は、来月初めまでに取りまとめて厚労省へ報告すると共に、浮上した問題について改善を申し入れたいとした。