政府は22日、新型インフルエンザ対策本部会合を開き、感染の広がりの程度に応じて地域を2段階に分類し、実情に応じて都道府県が判断するなどとした、新たな国内対策を決定した。患者急増地域では、学校の休校を自治体が独自に判断できる。
新型インフルエンザ対策については、国内での発生状況などを踏まえ、新たに「基本的対処方針」を決定し、これに基づいて「医療の確保、検疫、学校・保育施設等の臨時休業の要請等に関する運用指針」を厚労大臣が定めることとされていた。
運用指針では、新型インフルエンザ(A/H1N1)の性質は[1]感染力は強いが、多くの感染者は軽症のまま回復しており[2]抗インフルエンザウイルス薬の治療が有効であり、季節性インフルエンザと類似する点が多い‐‐とした。
また対策の目的を、国内外の疫学的知見を参考に、[1]感染のさらなる拡大を防ぐ[2]特に基礎疾患を有する者等重症化しやすい人が新型インフルエンザに感染して重篤な状況になることを防ぐことに努力を集中する‐‐の2つに集約。
これを基本に▽感染の初期、患者発生が少数であり、感染拡大防止に努めるべき地域▽急速な患者数の増加が見られ、重症化の防止に重点を置くべき地域‐‐の2グループに分け、相応の対応を進めることとした。どちらの地域であるかは、厚生労働省と相談の上、各都道府県、保健所設置市等が判断することになった。
確定診断はPCR検査によるが、今後は新型インフルエンザ発生国あるいは発生地において患者との接触が強く疑われ、かつ、発熱等の症状がある者に対し、優先的に行う。なお、季節性インフルエンザのサーベイランスを強化し、新型インフルエンザの発生動向を捉えることとしている。
検疫については、入国時に健康状態質問票に基づく確実な健康状態の把握に力点を置いた検疫を行うこととし、具体的にはブース検疫を行う。ただし、検疫前の通報で、明らかに有症者がいる場合には、状況に応じ、機内検疫を行うなどとしている。