中外製薬と大正製薬は、中外が開発を進めているビスフォスフォネート系骨吸収抑制剤「R484」(一般名:イバンドロネート)を国内で共同で開発、販売していくことになった。経口剤、注射剤とも2011年の申請を目指しているが、共同開発により、より早い承認申請を目指し、販売に整形外科を得意領域とする大正富山医薬品(大正の販売会社)が加わることで、同剤の売り上げの拡大につなげたい考え。
同剤は、月1回投与の経口剤、3カ月に1回投与の注射剤として欧州では「ボンビバ」、米国では「ボニーバ」の名称で2005年から販売されている。日本での用法用量は未定だが、投与回数の少なさ、経口剤で起こる上部消化管障害などの軽減が期待される薬剤として開発を進めている。
整形外科領域の製品拡充を進める大正と組むことで開発のスピードアップ、それに伴う同剤の価値最大化が図れると判断した中外との思惑が一致した。共同開発・共同販売契約は11日に締結され、翌12日に両社が発表した。中外は契約一時金、開発の進捗に伴うマイルストーンを受け取るが、金額は非開示。