厚生労働省は8日、「2006年版厚生労働白書」を公表した。今年のテーマは「持続可能な社会保障制度と支え合いの循環(「地域」への参加と「働き方」の見直し)で、過去の社会保障の取りまく環境変化とそれに対する対応を検証。具体的には、これまでの社会保障制度の改革や雇用政策の流れを再確認し、国民の望む安心な社会の基盤を整備し、国民ができる限り家族と共に地域で支え合って暮らすことが可能となる社会を作っていくことの必要性を指摘した。また、各地の事例を示した上で、新たな「支え合いの場」のあり方の可能性も考察した。
今回の白書では、まず人口減少社会を迎えることを踏まえ、急速な人口減少は国の存立基盤に関わり、社会・経済の変化の流れが先々の不透明でこれが国民に不安を生じさせているなどと指摘。そして、過去の社会保障を取り巻く環境や国民意識の変化に対応するための社会保障制度の改革や雇用政策の流れを概観し、今後の課題を検証すると共に、今後の社会のあり方を示した内容となっている。
特に、社会保障制度の基盤整備と地域・職場の在り方の見直しでは、今後は▽公的制度のセーフティネット機能による「安心の基盤」の確保▽地域の支え合いと働き方の見直し”が必要だという考え方を提示している。