「高度医療評価会議」は12日、東北大学病院が申請した「重症虚血性心疾患に対する低出力体外衝撃波治療法」を、条件付きで高度医療として認めることとした。技術的には問題がないが、申請書への有効性等の評価方法やモニタリング体制に関する記載が不十分だったため、実施計画書の修正が必要と判断した。
同技術は、カテーテルインターベンションや冠動脈バイパス術が適応できない薬物抵抗性の重症虚血性心疾患に対する治療法。心筋の虚血領域に体外から低出力衝撃波を照射することにより、心筋血流の改善・症状を改善させることが期待できる。
このほか会議では、事務局から「肺悪性腫瘍に対するラジオ波焼灼療法」(福岡大学病院)における死亡事例が報告された。重度の症例でリスクが高いため、高度医療の枠組みを適用しなかったが、患者の強い希望により自由診療で高度医療と同様の治療を行い、結果的に死亡に至った。
新規申請技術の4月受け付け分は、▽進行性膀胱癌に対する腫瘍特異的ペプチドワクチン療法▽再発予防を目的とした膀胱癌に対する腫瘍特異的ペプチドワクチン療法▽経カテーテル大動脈弁留置術▽大腸癌に対するペプチドワクチン療法▽大腸癌の術後再発阻止を目的としたワクチン療法▽進行食道癌に対するペプチドワクチン療法▽食道癌の放射線化学療法後、再発予防を目的としたペプチドワクチン療法▽食道癌術後(術前治療なし)再発阻止を目的としたワクチン療法▽食道癌術後(術前治療あり)再発阻止を目的としたワクチン療法――の9件。