厚生労働省は15日付で、新医薬品13成分20品目を薬価基準に追補収載する。内訳は内用薬7成分11品目、注射薬3成分5品目、外用薬3成分4品目。6日の中央社会保険医療協議会総会で、薬価算定組織の報告が了承されたもの。B型肝炎治療薬「バラクルード錠」で、比較薬として初めて2剤併用療法が採用されたほか、同薬と画像診断用造影剤「ボースデル内用液」に20%の有用性加算が適用された。
収載される品目は次の通り。
◇ガバペン錠200mg、同錠300mg、同錠400mg(ファイザー)
他の抗てんかん薬で十分な効果がない、てんかん患者の部分発作に対して用いられる抗てんかん薬。企業が予測する市場規模は、初年度が患者数3000人で販売高は2・7億円、ピーク時の5年目は2・7万人で23・5億円。
◇フィズリン錠30mg(大塚製薬)
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)の低ナトリウム血症改善を目的とする利尿剤。企業が予測する市場規模は、初年度が患者90人で販売高は550万円、ピーク時の6年目は400人で2450万円。
◇フォサマック錠35mg(万有製薬)、ボナロン錠35mg(帝人ファーマ)
両社が共同開発したビスホスホネート系の骨粗鬆症治療薬。企業が予測する市場規模は、初年度が患者数6万人で販売高は27億円、ピーク時の6年目は89万人で393億円。
◇テモダールカプセル20mg、同100mg(シェリング・プラウ)
悪性神経膠腫を効能・効果とするアルキル化剤。企業が予測する市場規模は、初年度が患者数732人で4・14億円、ピーク時の5年目は1046人で15・67億円。
◇バラクルード錠0・5mg(ブリストル製薬)
グアノシンのヌクレオシド類縁体で、B型肝炎ウイルス(HBV)のDNAポリメラーゼを選択的に阻害し、HBVの増殖を抑制する。企業が予測する市場規模は、初年度が2147人で2・49億円、ピーク時の6年目は1万6509人で64・68億円。
◇イトリゾール内用液1%(ヤンセンファーマ)
内用液剤で口腔内、それに近い罹患部への直接作用を生かした口腔咽頭カンジダ症、食道カンジダ症の治療薬。企業が予測する市場規模は、初年度が6000人で1・8億円、ピーク時の6年目は10万3000人で30・4億円。
◇ボースデル内用液10(明治乳業)
磁気共鳴胆道膵管撮影における消化管陰性造影を効能・効果とする国内初の造影剤。企業が予測する市場規模は、初年度が患者数2万5000人で4000万円、ピーク時の3年目は14万4000人で2・1億円。
◇ポリドカスクレロール0・5%注2mL、同1%注2mL、同3%注2mL(堺化学工業)
一次性下肢静脈瘤(伏在静脈瘤の本幹を除く)の硬化退縮を効能・効果とする止血剤。企業が予測する市場規模は、初年度が患者数3000人で500万円、ピーク時の5年目は3万人で4800万円。
◇ブスルフェクス点滴静注用60mg(麒麟麦酒)
同種造血幹細胞移植の前治療に用いるアルキル化剤。企業が予測する市場規模は、初年度が患者数145人で9000万円、ピーク時の10年目は664人で4・3億円。
◇アボネックス筋注用シリンジ30μg(ジェンザイム・ジャパン)
多発性硬化症の再発予防を効能・効果とする遺伝子組み換え製剤。企業が予測する市場規模は、初年度が125人で2・6億円、ピーク時の8年目は2150人で44・6億円。
◇パタノール点眼液0・1%(日本アルコン)
アレルギー性結膜炎を効能・効果とする点眼薬。企業が予測する市場規模は、初年度が患者数12万人で2・4億円、ピーク時の4年目は295万人で60億円。
◇ベガモックス点眼液0・5%(日本アルコン)
ニューキノロン系の点眼薬。企業が予測する市場規模は、初年度が患者数22万人で2・9億円、ピーク時の4年目は390万人で50・9億円。
◇パルミコート吸入液0・25mg、同0・5mg(アストラゼネカ)
気管支喘息の効能・効果を持つステロイド薬。企業が予測する市場規模は、初年度が患者数6000人で2億円、ピーク時の8年目は3万9000人で20・1億円。