大正製薬は4月21日から、医療用抗コリン薬のチキジウム臭化物を配合した、スイッチOTC胃腸薬「ストパン」(第1類医薬品)を新発売した。主成分のチキジウム臭化物は、胃腸の平滑筋の収縮を抑える働きがあり、急な胃腸の痛みなどに優れた効果を発揮する。同成分をOTC医薬品として初めて胃腸薬に配合した。
胃腸はストレスや不規則な生活、疲れなどの影響を受けやすく、時にキリキリとした痛み、キューッとした痛みを生じるが、多くはストレスなどによる胃腸の異常な収縮が原因とされる。大正製薬が昨年3月に、胃痛で胃腸薬を服用したユーザーを対象に調査を行ったところ(回答2967人)、胃腸薬を服用する時の胃痛症状で、最も多かった回答は「キリキリした痛み」(56・2%)だった。
ストレスなどによる刺激が,自律神経の副交感神経に伝わると、神経末端からアセチルコリンが分泌される。アセチルコリンが胃腸の受容体に結合すると、胃酸の分泌や胃腸の収縮が起こる。1984年から現在に至るまで、医療用医薬品として消化器系疾患の治療薬に広く処方されているチキジウム臭化物は、このアセチルコリン受容体への結合をブロックし、胃酸分泌や平滑筋の異常な収縮を抑え、胃腸の緊張を和らげることにより、胃痛、腹痛、さしこみ(腹部疝痛)などの症状を鎮める。
「ストパン」は、1カプセル中にチキジウム臭化物5mgを配合。通常のカプセルよりも小さめ(直径約4・7mm、長さ約11・4mm)なので、服用しやすい。15歳以上は1回1カプセルを服用する(1日3回まで)。税込み希望小売価格は、10カプセル入り1380円。初年度目標額(発売後1年間)は、出荷ベースで2億円を見込む。