厚生労働省は、医療施設に対する満足度などを調査した「2005年受療行動調査の概況」を発表した。調査結果では、現在診療を受けている病院に対する「満足度」は外来・入院とも半数を超え、特に入院では6割を超えた。また、医師から受けた説明に関する理解度も、「病名・病状」「薬の効能・副作用」など内容別にみても、調査した全ての内容が「分かった」と回答した人が8割を超えた。
調査は、層化無作為抽出した一般病院(488施設)を利用している患者(外来・入院)を対象に実施し、17万2809人から回答を得た。調査期間は、05年10月18020日の3日間。
調査結果によると、受けた医療に対し「満足」と回答している患者は、外来で53.7%、入院で60.1%だった。その一方で「不満」とした人は、外来で6.1%、入院で5.5%だった。
特に満足度が高かったのは、外来では医師との対話(55.3%)、受けている診療・治療内容(50.1%)、診察時間(45.8%)、入院では看護師などによる看護・介助(65.3%)、受けている診療・治療内容(61.7)、医師との対話(60.2%)となっている。一方、「不満」と回答した人に関しては、外来では待ち時間(30.3%)、入院では食事の内容(16.4%)を挙げた人が最も多かった。
医師から診察を受けた病気や症状について、「説明があった」と回答した人は外来で85.1%、入院で92.1%という結果だった。説明の方法としては、口頭による説明が、外来(88.0%)、入院(85.7%)と最も多かった。
受けた説明の内容別に理解度をみると、説明を受けた人のうち、「よく分かった」または「大体分かった」と回答した人の割合は、全ての説明内容に対して8割を超えた。そのうち薬の効能・副作用の説明に関して「分かった」と回答した人は、外来では87.7%(よく分かった40.9%、大体分かった46.8%)、入院では81.9%(34.8%、47.1%)だった。
病院を選ぶに当たって、「何らかの情報がほしいと思った」のは、外来で54.8%、入院で48.2%となっていた。内容別にみると、外来では[1]医師の専門分野・経歴(54.4%)[2]夜間・休日診療、往診・在宅医療の実施の有無(48.4%)[3]安全のための取り組み(46.6%)――の順だった。入院では、入院に必要な経費が54.6%で最も多く、次いで医師の専門分野・経歴(53.4%)、治療方法・治療実績(48.4%)となっている。
その一方、ほしいと思ったか否かにかかわらず、何らかの情報を「入手できた」のは外来で45.7%、入院では43.0%にとどまった。内容別にみると、外来の場合に入手できたのは、予約制の有無が73.6%で最も多く、ほしいと思う情報でトップだった医師の専門分野・経歴は、28.1%に過ぎなかった。入院で最も多かったのは療養環境の60.7%で、ほしいと思った情報でトップの入院に必要な経費は42.2%だった。