厚生労働省の2007年度概算要求では、新たに設定された「経済成長戦略推進要望」枠で、重点施策の一つとなっている「医薬品・医療機器産業の国際競争力強化」に対して83億円が要求された。今年度予算額46億円に対し、ほぼ倍近い要求額である。優れた医薬品等の研究開発促進、治験を含む臨床研究実施環境の緊急整備・充実などに取り組む考えだ。
「優れた医薬品・医療機器の研究開発促進」では71億円を要求。国際的に最先端の研究が進められている再生医療分野を含め、先端医療の実用化に向けて、基礎研究の成果を臨床応用に結びつける研究を推進するため24億円。質の高い臨床試験に対する研究資金の提供や、身体への負荷軽減を目指した医療機器の研究開発推進に47億円を要求した。
また、後発医薬品の使用促進に向け、後発品の信頼性確保を図る面から、後発品メーカーに安定供給の実効的な指導を行うと共に、国民や医療関係者が後発品をより安心して使用できるように、先発品との同等性について情報提供を行うこととし、1・1億円を計上している。
「治験を含む臨床研究実施環境の緊急整備・充実」では11億円を要求。次期治験活性化5カ年計画に向け、治験拠点病院等を選定し、治験環境の整備・充実を図るために10億円。治験コーディネーター養成研修や、質の高い治験を効率的に行う上で必要な治験データの収集・整理を担当するデータマネージャー養成研修を実施するため、9000万円を要求した。